FX 豪ドルとNZドルのサヤ取りトレードは稼げない!?分析検証で発覚した真相を公開!
今回はサヤ取りトレードで稼げるかどうか分析検証した結果を公開します。
サヤ取りはどちらかと言えば中長期投資向けのトレード方法です。これは「サヤ」が生じるタイミングがかなり稀であるためです。
「サヤ」とはなんなのか、その「サヤ」をどのように活かすのがサヤ取りなのかから説明していきます。
豪ドルとNZドルでFXサヤ取りをする方法の説明
そもそもFXのサヤ取りトレードとは何なのか?
とはいえ、サヤ取りがそもそも何なのか、分からない方も多いかと思うので、まずはサヤ取りについて説明させていただきます。
サヤ取りとは、ある2つの通貨ペアの連動性・相関を利用したトレード方法です。
なんじゃそらそら。。。
例えば、通貨ぺアAと通貨ペアBの二つの通貨ペアがあるとして、
Aが上昇するとBもだいたい上昇する、さらにAとBのレートの差はだいたい10になっている。
これが連動性・相関です。
こういう法則を発見したとして、
あるときにAとBのレート差が8になるときがあるんです。
こういう場合、また差が開く確率が高いので、そこを利用してトレードを行うんです。
こちらの芸術的な手作りお絵かきをみていただければイメージがつくかもしれません。
ではどうやってトレードを行うかというと、単純にレート差が開く方向にエントリーを行います。
先ほどの例でいうと、レート差が8になった時にAをロング、Bをショートでエントリーします。
そうするとまたレート差が10になる確率が高いので、利益を得られるというわけです。
2つのチャートの関係を使ってトレードを行っていくのがサヤ取りトレード手法なわけです。
FXでサヤ取りを行うメリットとデメリットを比較
サヤ取りトレードを行うメリット
サヤ取りのメリットは、何と言っても「のんびりと利益を出せる」ということです。
通貨ペアどうしの連動性は、そんなに滅多に崩れるものではないので、
その法則を利用してトレードする限り、利益を出せる可能性が非常に高いです。
デイトレなどの裁量トレードではなかなか利益を出せない方も多いかと思いますが、
そんな方でもいとも簡単に利益を出せるのがサヤ取りです。
こういうおいしい話にはデメリットもつきものです。次にデメリットもみていきましょう。
サヤ取りトレードを行うデメリット
証拠金が通常トレードの2倍必要ということがまず挙げられます。
2つの通貨ペアでトレードを行っていくので当たり前といえば当たり前ですが。。
他に、中長期的な目線を持ってトレードをする必要があるというデメリットもあります。
レート差が縮まる機会はそれほどないので、デイトレーダさんにはちょっと待てないかもしれませんね。笑
FXでサヤ取りをするメジャーな方法は豪ドル円とNZドル円
サヤ取りの方法と性質がわかったところで、では具体的にどの通貨ペアを利用してトレードをすればいいのか分からないですよね。
もうタイトルでネタバレ満載ですが、一般的にメジャーな方法として挙げられているのが、豪ドル円 と NZドル円 です。
AUDJPYとNZDJPYの組み合わせですね。
ではこの二つの通貨ペアの性質と法則をみていきましょう。
オーストラリア(豪ドル)とニュージーランド(NZドル)の地理的な共通点
まずは豪ドルとNZドルについてですが、豪ドルはオーストラリアの通貨、NZドルはニュージーランドの通貨です。
まずは地図をみてみましょう。
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オーストラリアとニュージーランドは同じオセアニア地域に位置しており、
地理的には非常に近く、経済情勢もとても似ています。
この二つの通貨が似たような動きになるのは必然的ですね。
ここまでの情報であなたはどう思いましたか?
「ふむふむ、なるほどこれは使えるかもしれない!!」と思ったでしょうか??
僕はこの情報を知った時、こう思いました。
いやだって位置的に近いから経済の動きも通貨の動きもほとんど同じって、
だったらアメリカとメキシコは近い位置にあるから、米ドル円とメキシコペソ円は似たような動きをしているかというと、そうでもないですよね。
なんていう屁理屈をこねてしまって、これだけの情報ではにわかには信じがたいので、もう少しデータを見ていくことにします。
オーストラリア(豪ドル)とニュージーランド(NZドル)の政策金利推移
まずはオーストラリアとニュージーランドの政策金利推移を比較してみましょう。
似ているといえば似ている!?笑
2014年からオーストラリアの金利がニュージーランドの金利を下回る用になりました。
2017年からはほぼ変化なしで、オーストラリア・ニュージーランド共に同じような金利が続いている傾向にあります。
へぇーー。と思っておきましょう。
豪ドル円とNZドル円の価格推移を徹底分析
では実際の値動きをみていきましょう。
こちらが2007年から現在までのAUDJPY(赤色)の値動きとNZDJPY(青色)の値動きをグラフにしたものです。
下にあるグレーの線は AUDJPY – NZDJPY の差分(サヤ)をあらわしています。
このグラフをみるとすごい特徴に気がつきませんか?
AUDJPYの方がNZDJPYよりも必ずレートが高い
ということに気がつかないでしょうか。
さらにもう一つ重要な特徴が、
AUDJPYとNZDJPYの差が縮まる時期が存在する
というものです。
2015年の4月頃に差がほぼゼロになったことはありますが、それでもAUDJPYの方がNZDJPYよりも高いレートを依然維持し続けています。
これはオーストラリアよりもニュージーランドが国力が高いためだと言われていますが、重要なのは理由ではなく、この事実です。
サヤ取りトレード手法では、この二つの重要な特徴を利用します。
では、この差分(サヤ)の詳細データをもう少し見てみましょう。
※2019年は3月末までのデータです。
ここでも驚くべき事実が明らかになりました(ドキュメンタリー風)。
2014年から現在までの差の平均を見ると、だいたい6くらいにおさまっているのがわかりますね。
2013年から2014年の間に平均が一気に落ちていますが、これがサヤ取りのリスクでもあります。
差の平均が下がってしまうとそれだけ損失になりますから。
だから出来るだけ差が小さい位置でエントリーしなければなりません。
そこでみていただきたいのが、先ほどの表の「最小差」の項目です。
これは、過去に一番差が小さくなったときの値を引っ張ってきています。
2014年からの最小差を見るとだいたい2〜3ほどになっています。
そのため、当面の戦略としては
差が3ほどになったらAUDJPYでロング、NZDJPYでショートを入れておき、
差が6ほどになったら両方とも同時に決済する。
という戦略になります。これで3ほど利益が出ることになります。
ちなみに1は100pipsなので、差が縮まったときに適当にエントリーをしておくと300pipsほどは利益を出せる見込みがあるということです。
これが、サヤ取りでトレードを行う中長期投機の方法となります。
豪ドルとNZドルを使ったサヤ取り実績
ものは試しということで、実際にこの方法で運用をしてみました。
2019年に入って差がかなり縮まってきたのでこっそり簡単に1万通貨でエントリーしてみました。
1ヶ月もしないうちに140pipsほどのプラスが出ました。
※このあと210pipsプラスになり利確しました。
サヤ取りは戦略がはっきりしているので初心者の方でも簡単に始められます。
先ほどの表を参考に、差が縮まったときにエントリーして差が開いたら決済するだけだからです。
・・・と、ここまでが一般的なサヤ取り手法に関する紹介記事なのですが、FXトレードを日々行っている僕から見たサヤ取り手法に対する考察を行っていきます。
豪ドルとNZドルを使ったサヤ取りトレード手法に関する総合的な考察
では、これまでの一般的な知識に基づいて、トレーダーの観点からチャート分析を行っていきます。
もう一度、先ほどの豪ドル円とNZドル円の価格推移と、二つの通貨ペアの差分グラフをご覧ください。
確かにここ10年以上、豪ドル円の方がNZドル円を上回っていることは事実として捉えることができますね。
しかし、豪ドル円とNZドル円の差分を見ると、見事な下降トレンドを形成しています。
つまり、その差分はだんだんと縮まっているということがわかります。
豪ドル円とNZドル円のサヤ取りとは、この2つの通貨ペアの差分をひとつのチャートと見立てて、下降トレンドの中でトレードを行っているだけに過ぎないのです。
つまり、月足レベルで下降トレンドになっている1つの通貨ペアを使って、その中でトレードを行っているのと全く同じことをやっているのです。
月足レベルのトレードでは、特に方針も転換することもないので、ネット上で「この方法はすごい!のんびりトレードができる!」なんてはやし立てられます。
そりゃそうですよね。超長期の下降トレンド手法なんですから。
相場は何が起こるかわかりません。もちろん豪ドル円よりもNZドル円の方が価格を上回る日が来るかもしれません。
2つのポジションを同時に持たないといけないサヤ取りトレード手法は、それだけで証拠金が2倍必要になるという、ハンデを背負うことになります。
普通に1つの通貨ペアを使ってトレードをしていく方が無難と言えるでしょう。
トレード手法について迷っている方は、こちらの20年分検証済みのトレード手法Oceanをご利用ください。
かなり再現性の高いトレード手法となっております!
FXトレードを勉強するなら必ずこの本を読んでおきましょう。最低限の知識で必要です。
なかなかちゃんとした本も少ないですが、しっかりと基礎から学べる本なので本当におすすめできます。
この本を読んでからFXの成績もかなり変わりました。
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